265人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
そう言って立ち上がった美月だったが、思いのほか足の感覚が無かったらしい。
「きゃぁっ!」
と情けない悲鳴を上げてあろうことか、遼佑の上に倒れてしまった。
「ごめんなさい!」
お姫様抱っこ状態で、目の前には遼佑の顔がある。何も言わない遼佑と美月は、見つめ合ってしまった。
静かに遼佑の顔が近づく。
美月は反射的に目を瞑った。
「足、大丈夫? トイレ我慢してるんでしょう?」
遼佑はそう言うと、意地悪に笑った。
「ごめんなさい!」
最初のコメントを投稿しよう!