第三章 カラー feminine modesty(乙女のしとやかさ)

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「美月ちゃんはそそっかしいから、俺が守ってあげたくなるよ」  そして両手を抱える形にする。先日転んだ事を言っているのだ。 「もうっ!いじわる!」  美月は遼佑を叩くふりをした。とその時、ガラスポットが倒れて珈琲が美月の方へと流れた。若草色のスカートに命中する。美月が「熱い」と言う間もなく、遼佑に抱きかかえられて風呂場に連れて行かれた。速攻でシャワーの水をかけ始める。あっという間の出来事に、美月は茫然としていた。スカートはたくし上げられ、太ももの内側の赤くなった場所に、シャワーを的確に当てて冷やしてくれている。 「冷たいよね?我慢してね」  声をかけられて初めて、美月は遼佑は自分の方がびちゃびちゃに濡れながらも、美月を抱えてシャワーをかけてくれている事にようやく気が付いた。 「あの、ごめんなさい。もう大丈夫ですし、ってか上条さんが濡れちゃってる」  美月が見上げると、飛び散った水が遼佑の前髪から滴り落ちる。大きな鷲鼻の下の薄い唇が少し震えていて、薄い虹彩の瞳が潤んでいる。水が冷たく体が冷えてきているのに、その美しさに美月の口から熱い吐息が漏れた。 「きれいな顔・・・」     
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