第四章 ラベンダー 花言葉 distrust(疑惑)

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 そう言いながら遼佑は美月の後ろに廻り、美月の首に小さなサファイヤのついたネックレスを沿わせた。 「え?何ですか?」 「今度から来る時は、これをしてきて」  そしていたずらっ子みたいに 「紅潮した白い肌はとてもきれいだったよ」  と耳元で囁いた。美月は囁かれた耳元から、熱が噴出したのを感じた。笑いながら遼佑は 「約束だよ。俺に会う時は必ず付けてきて」  そう言って美月の手を引いて、一階のいつもの部屋へといざなった。それからの時間は食事をしたり、遼佑はまたお昼寝をしたりと先日と変わらぬ時間を過ごした。帰り際に見せる遼佑の少し寂しそうな表情に、美月は後ろ髪引かれながら帰宅する車に乗り込む。待っていた瀬木とはクリーニングに出しておくと言う濡れた服を、それはやはり自分で持って帰ると返してもらったという一連のやりとりはあったのだが、それ以外には、特に何もなかったはずだと美月は思い巡らしていた。  約束の駅に到着すると、あの可愛いミニクーパーが停まっていた。中を覗き込むとそこには瀬木の姿はなく、代わりに遼佑が微笑みながら乗っている。美月が驚いていると、窓が少し開いた。 「おかえり。さぁ乗って」 「りょすけ!」     
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