白い声

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「白い声」  それは 合唱コンクールの練習が  始まった頃に起きた  僕の曖昧な衝動は  彼女に 気付かれていたのだろうか  それまでは ただのクラスメイトだったのに  彼女の歌声聴いてから  僕の耳は 彼女の声しか気にしなくなった  低い時は艶やかに 高い時は鳥のように  初めて音を聞いた赤ん坊のように  僕の気分は 彼女の歌声を聴くたびに  天高く舞い上がってしまった  彼女の歌声は白色で 何色にも染まってなかった  それが僕には 眩しすぎるほど美しくて  いつしか彼女の一挙一動  全てが気になって仕方がなくなった  他の男 他の女  僕にはどうでもよくなった  彼女が他の男に 迫られやしないかと思うと  僕は手が汗ばんだ  あなたの歌声 とっても好きでした  あなたと二人で歌ってみたかった  僕は上手くはなかったけど  あなたと歌えば 気分は最高  間違いなく そう思えた  あなたの歌声に出会えたことが  僕の唯一の 青春の誇りです  それではいつか  また逢う日まで
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