みたまたちはかくかたりき

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げんかんのとびらをあけると、だいどころから、ほわんとただよってくるのは、いいにおい。 ピリッとからそうな、でもどこかあまいにおいは、ノゾムくんのだいこうぶつ。 「カレーライスだ!」 おとうさんのぶん、これがノゾムのぶんね、と、おかあさんがおたま(・・・)でとりわけます。 にんじん、じゃがいもと、たまねぎ、それにぎゅうにくが、ごろごろと、おさらにもりつけられていきました。 しょくたくについたノゾムくんに、おとうさんがいいました。 「いいかい。 ここにはいっているやさいやおにくは、みんなもともといきていたんだ。 ぼくらは、そのいのちをもらって、じぶんのいのちにかえている。 そうすることで、ぼくらはいきているんだよ」 「ちょっとむずかしかったかな?」 と、にがわらいするのは、おかあさん。 「じゃあ、てをあわせて」 「「「いただきます」」」 おおきなじゃがいもをパクリとひとくち。 ほくほくと、すぐにくちのなかでとろけます。 だいすきなゆうごはんに、だいまんぞくのノゾムくんでした。
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