俺の場合は後者。内心は――。

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 普段、先生の言動を(かんが)みると俺の告白をオッケーしたのは冗談だと捉える事も出来なくはない。がしかし! 昨日の彼女の――おお、今思い出すと鼻血が……高校一年生には少し大人過ぎるセカイ……。  昨晩の出来事を思い出し、思わず頬が緩んでしまった俺。それを見た陸上馬鹿の鏡が目を血走らせて俺の肩をホールドする。 「お、おま、おま、お前ぇええ!! 可愛い渚ちゃんに何をしたんだ!!」  言わずもがな、彼は本気であの人に恋をしている。もしかして今回の適任はこいつだったんじゃないか? ま、答えは俺の真逆だっただろうけど。こいつ先生前にすると滅茶苦茶気持ち悪いし。  小刻みに前後に揺さぶられる俺は、鏡の両手首を掴みながら反論する。 「べ、別に何もしてねーよ!! 少し先生のおっぱ――」 「なああああああ!!」 「いが肩に乗ったって! おい! しっかりしろ! しっかりするんだ鏡!」  言葉の途中で白目を剥き椅子から崩れ落ちた変態。彼は余りの衝撃に星になったようです。  そんな鏡の傍へ駆け寄り、大袈裟に振舞う俺を見る沖田の顔は何とも表現し難いものになってしまっている。こいつが言いたいことは分かっているさ。先程の返答だろう。  茶番から一変。スクッと立ち上がった俺は、再び椅子に着いて沖田を見やる。今回は俺だって真面目に考えているしな。 「しっかりやるつもりさ。俺だって、別に何の感情も無くあの人を選んだわけじゃない」  実はこの罰ゲーム、告白する先生は自分で選べたのだ。最初は全く関係ない人か渚先生か迷ったが……最悪の場合は渚先生の方が穏便に済ませてくれそうだと思ってあの人にしたのだ。  待っとけ、自分で言っててあれだが何の感情もねぇじゃねーか。 「ま、そりゃそうだわな。でも、バレたらエグイことになりそうだぞ……蛙の解剖的な」 「こ、怖い事をいうなよ」  先程の真面目な表情を変え、ニヨニヨと腹の立つ表情に変えた沖田はステーキでも食べる様な仕草で冗談にならない事を言う。  渚先生解剖大好きなんだぞ……マジでビビるからそういうのは止めてくれっ。
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