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雨の日の傘屋
山深く、田畑が広がる緑豊かな村があった。
山には珍しい野鳥が生息しているという情報を得た私は、その町出身だった先輩に頼み込んで、とある一軒のお宅に泊めてもらえることになった。
村までは電車で何度も乗り継ぎ、駅からはバスで一時間以上かかる場所。
一面に田畑が広がり、民家はその間に疎らに建っていた。
先輩から住所の書かれたメモをもらい、私はそれを頼りに村を探し回ったが、村には番地を表す標識がなかった。
途中で村の人に会えなかったら、きっと私はたどり着けなかっただろう。
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