雨の日の傘屋

1/16
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ

雨の日の傘屋

山深く、田畑が広がる緑豊かな村があった。 山には珍しい野鳥が生息しているという情報を得た私は、その町出身だった先輩に頼み込んで、とある一軒のお宅に泊めてもらえることになった。 村までは電車で何度も乗り継ぎ、駅からはバスで一時間以上かかる場所。 一面に田畑が広がり、民家はその間に疎らに建っていた。 先輩から住所の書かれたメモをもらい、私はそれを頼りに村を探し回ったが、村には番地を表す標識がなかった。 途中で村の人に会えなかったら、きっと私はたどり着けなかっただろう。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!