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秀雄さんが籠を背負い家を出ると、続いてセツさんも籠を背負った。
セツさんは『雨が降るかもしれないから、傘を持って行きなされ』と言って出て行った。
けれど、私の視界に映っていたのは、雲一つない青い空。
傘は荷物にもなるし、きっと大丈夫だろう。
私はセツさんの忠告を聞かず、朝食を食べ終えると傘を持たずに家を出た。
目の前の畑では、秀雄さんとセツさんが農作業をしている姿が見えた。
私はリュックを背負い、鈴の音を鳴らしながら、山までのあぜ道を歩き出した。
ここから山の入り口まで歩いて30分ほど。
長閑な田舎道を、ただただ歩いた。
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