第1章 はじまりの扉

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朝起きて、お弁当を作り 家族を送りだすと、身支度を整えパート先へ。仕事は、特に楽しい訳でも無い…パート先のスーパーで買い物を済ませ 急ぎ足で 自宅へと向かう…。自宅に帰るなり 慌ただしく 夕飯の準備 美味しいとも まずいとも言わず食べ終えると 書斎にこもる旦那 結婚10年目 気がつけば 毎日 こんな感じだ。 もちろん夜の夫婦生活など、最後は思い出せないくらい前になる。そんな毎日を送っていたある日 近所に無人のレンタルDVD店が オープンした。 無人って どういう事だろう 気になって 休みに行ってみることにした。 3階建てのアパートの1階テナントスペースが、無人レンタルDVDとなっていた。入り口横に 会員カード発行機が設置されている。全て機械を操作するだけで カードが発行され そのカードをかざすだけで 店内に入れた。 ガラス張りの大きな棚には、様々DVDがならび 借りたい番号を押し 現金を投入 会員カードをかざすと 借りる事ができる。 早速目当ての邦画を借りてみた。店内には、他に客の姿は無い ふと 奥の方を見ると ピンクの暖簾が見えた。通常のレンタル店では、流石に女性一人では 入る勇気なく 入れなかった。 周りを気にしながら ピンクの暖簾を 開け覗いてみる。 裸で大胆なポーズをした女性のパッケージが 目に飛び込み 思わず 暖簾を閉める。店内に 自分だけである事を確認して もう一度 暖簾を開ける。 読むだけで恥ずかしくなる様なタイトルが 並び 興味がどんどん湧き上がる。周りを気にしながら奥に進むと 赤や黒で縁取られたコーナーがあり その パッケージの凄まじい光景に 足を止めた。 私の身体が一気に熱くなり 鼓動が早くなった。 その場を飛び出し その日は、そのまま帰宅したが、夕飯の支度中も 寝る前も 翌日の仕事中も 内容が気になって 仕方無なかった。仕事が終わり まっすぐ帰宅するつもりが 気がつけば 例のレンタル店の前に来てしまっていた… 店内に入ると 今日も他に客は いない様だ 私は 素早く暖簾をくぐり 昨日足を止めたコーナーへ 周りを気にしながら 1つ DVDを借りて 自宅へと急いだ。 何か悪いことをしている様で 胸の鼓動が激しくなった。 タイミングよく今夜は 旦那が送別会で遅くなる…自宅に着いた私は、そのままリビングへ行き DVDをプレイヤーに入れ 再生されるのを 待った。
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