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3
異臭がする方なんて、行く訳がない。
そんな選択、Mな人しかしない。
私は、爽やかな風を感じる方へと、身を任せて歩いた。
脂ぎった髪が風に揺られ、何者かに誘われている様だった。
――こちらへ、おいで。
――もっと、こっちだよ。
誘われるまま歩き続けると
――急に、上半身が岩肌をすり抜け、
私は真っ逆さまに、頭から真っ直ぐ、墜落していた。
一瞬の事で、何が起こったのか――さっぱり分からなかった。
グチャッ
アスファルトに対して、垂直に頭を打った。
ただ、頭が熱い。ドクドクと脈を打ちながら、血が体外へ出ていく感覚が分かる。
痛い
痛い
本当に痛い…
朦朧とした意識の中、最後の力を振り絞って、自分が落下してきた方を見る。
そっか…私は、自分の…部屋の窓から落下したのか。
【GAME OVER】
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