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5
腐った汁だけでも臭いというのに、さらに異臭がする扉を開くなんて…
私はやはり、完全なるMなようだ。
病院の扉のような、横開きの扉――所々赤黒い染みや、カビのようなものが付着していて、目にするだけで気味が悪い。
私は、鼻の孔に力を込めて、扉を開いた。
「う…うおおおおおお」
臭い…
臭すぎる…
目に飛び込んできた物は、
何年も洗っていないカビの生えた、散乱している衣服――そこから発されているアンモニア臭が、私の鼻腔を激しく刺激する。
…もう駄目だ。
眼も痒い…体中も痒い…
こんなに臓器が破壊されるような刺激臭は、流石にMの私にも耐えられない――。
朦朧とする意識の中――痙攣している指先で、衣服を一枚摘まみ、
私は、最後にこう思った。
「汚れた物は…押し入れに詰め込んでも…汚れたままだ」
【GAME OVER】
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