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1【スタート】
ネットで注文したゲームが、漸く手に入った。
これが噂の、『人生の選択は貴方次第』か。
パッケージを見る限り、どんなゲームか想像がつかないな。
――さて、早速起動してみよう。
ポチッ
タイトル画面も、パッケージと同じか。
手抜きじゃないか。
まぁ良い…よし、スタート。
【スタート】を押した瞬間、
――目の前で七色の光線が瞬いた。
この汚くて狭い部屋が、まるでプロジェクションマッピングを見ているように、
壁が岩肌になり、チラついた豆電球が揺らめく蝋燭になり、ダンジョンへと変貌した。
「凄い…。このゲーム、凄いぞ」
ゴツゴツした岩を見渡すと、自分の視界の下方に、黒いウィンドウが表示された。
凄い、体感型のゲームだ。
「時代はここまで来たか…」
黒いウィンドウ内に、白いドットで描かれたような文字が、一文字ずつ効果音を鳴らしながら表示されていく。
【ダンジョン前方には分かれ道がある。右からは異臭がする。左からは爽やかな風を感じる。どちらへ進む?】
◆右→2へ
◆左→3へ
天の声「目次を開いて、己の選択した数字へ進むのじゃ。信じられる者は己のみ…健闘を祈る!」
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