33人が本棚に入れています
本棚に追加
返信をしたあと、自己嫌悪の波が一気に押し寄せてきた。
私って最低だ。
もう、今度の日曜で最後にしよう。こんなの祐也に対して申し訳なさすぎる。
ちゃんと、正直に告白しよう――。
※
日曜日。
空は青く、澄み渡り。
なんて、校歌に出てくるようなフレーズ。
青さが、眩しさが、痛い。
お天道様に顔向けできないってこういうことだね、おばあちゃん。
「はぁ」
あ、ため息つくと幸せが逃げていくんだっけ。これはお母さんが言ってたことか。
気持ちとはうらはらに、サーモンピンクのワンピースに袖を通した。
黒い服も好きだけど、今日着たら重さに耐えられない。
せめて服装だけでも明るく。
「美千華、気合い入ってんじゃん。デート?」
「え、うんまぁ……」
私の引きつり笑いにお姉ちゃんはすかさず反応する。
「なんか全然楽しそうじゃないんだけど。倦怠期?」
「うるさいなぁ。行ってくる!」
これ以上色々感づかれたくなくて、予定より早めに家を出た。
待ち合わせの駅に到着すると、約束の時間まで15分あるにも関わらず、祐也はそこにいた。
いつもはほぼぴったりに来るほうなのに……。
「おはよ。早いね」
「そっちだって」
なんだろう。この違和感。今日は、祐也のほうがよそよそしい――。
最初のコメントを投稿しよう!