告白、again

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とりあえず、座ろうか―― 別れたい。 その言葉で頭が一杯になって、口を開くことができない。 でも、いきなりその一言を放つわけにもいかない。 沈黙だけが流れる。 とりあえず何か話してよ、祐也。 「美千華」 「はいっ」 うわ、何この返事。 「……俺たち、別れよう」 「えっ」 さっきまで頭の中を支配していた言葉が、祐也の声で再生される。 今の私どんな表情してるんだろう。 いや、それよりも。待って、祐也も私と別れたがってたの? いつから? 「美千華、俺のこと好きじゃないよな。それわかるからさ。一緒にいても意味ないじゃん。だから」 好きじゃない?  改めてそう言われると腑に落ちない気がする。 嫌いではない。それは断言できる。 たまに合わないと思う部分があるだけで。 あんなに別れたがってたのに、いざとなると戸惑ってしまうのは何でだろう。 祐也は?祐也の私に対する気持ちはどうなの? 私のこと、嫌いになった――? そんなこと言えない。 まるで別れを拒否してるみたいじゃない。 何を迷ってるの? いま返事をすれば、別れることができるんだよ? 頭ではわかっているのに、言葉が出てこない。 何も言わないのが返事と受け取ったのか、再び祐也が口を開く。     
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