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告白、again
私の好きな人。
三木本祐樹、17歳。
吹奏楽部の後輩で、担当楽器は私と同じトランペット。
そしてその兄、祐也、18歳。
サッカー部で活躍していて、私と同じクラス。
「何で親ってきょうだいで似たような名前つけたがるのかな……」
「まぁあたしとあんたも似てるもんね。美千世、美千華。お母さんも自分で名付けといてしょっちゅう間違えるし。だったらもっと違う名前にしなよとは確かに思う」
「ははっ」と笑いながらお姉ちゃん――美千世は、どさくさに紛れてクッキーに手を伸ばす。
「あ、私のぶんまで食べないでよ!」
「わかってる、あと一枚で終わりだから」
「はぁ~……」
私はクッキーを横目に見ながら、テーブルに顔を伏せた。
「さっきから何を憂いてるわけ?」
「いや、いい」
言ったら絶対バカにされて惨めな気持ちになるだけだ。
じゅうぶん自分でわかってる事を改めてお姉ちゃんに言われたくない。
LINEの通知音が耳に飛び込んでくる。
祐也。
『今度の日曜、10時でいい?』
私は伏せた顔を横向きにして、スマホを操作する。
OKのスタンプを押す。
「ああっ」
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