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同棲
俺は今日から彼女と同棲することになった。
本当は、もっと早くに同棲したかったのだが、俺のほうの環境が整っていなかったため、今に至った。
「ただいま。」
彼女が帰ってきた。
「お帰り。お仕事、ご苦労様。」
「本当に参っちゃうわよ、あのジジイ部長。頭がかたいったらありゃしない。」
「無能な上司を持つと大変だね。」
「あはは、ほんとほんと。コピーやメールくらい自分でやれっての。まったく。パソコンはお飾りで、日々何の仕事してるんだろうね。」
「お腹すいたでしょ?ごはんできてるよ。」
「うわ、おいしそう~。これ、君が作ったの?偉い偉い!」
俺は、こんな日常を待っていた。
ここまでくるのには、苦労した。
彼女がこの同棲に初めは難色を示していたからだ。
経済的な理由だ。俺は自分の甲斐性の無さを嘆いた。
だが、俺は、猛烈に彼女にアタックした。
そして、彼女はついに、俺との同棲を決意してくれたのだ。
自分から言い出したにも関わらず、同棲までに時間がかかった。
同棲が決まれば、彼女は早くと催促したが、なかなか環境を整えるのには時間がかかる。
しばらくは、幸せな日々が続いた。
あいつが現れるまでは。
そいつは突然訪れた。
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