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「そんなこと言いながら、もうこんなになっちゃって。」
ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなあああああ!
柴田、殺す。殺してやる!
俺は、部屋を飛び出した。
行く先は、もちろん美咲の部屋。
俺たちの同棲生活をめちゃくちゃにしやがって、柴田。
美咲は、俺を人工知能搭載スピーカーだと信じてやまなかった。
販売したのも俺で、届けたのも俺。スピーカーの声ももちろん俺で、自動調理機の遠隔操作をしていたのも俺で、洗濯も掃除も全て俺が合鍵で入ってやっていたのだ。
この機械に細工するのに、どれだけの労力と時間を費やしたと思っているんだ。
許さん。
美咲も、柴田も。
俺を裏切りやがって。
二人、まとめてあの世に送ってやる。
俺にはこの合鍵があるんだ。見てろ。
ほら、開いた。覚悟しろ、二人とも。
あれ?開かない。
ガチャガチャガチャ
「えっ?だれ?」
抱き合っていた二人は、ベッドから離れ、美咲は柴田のシャツを羽織り、インターホンのスイッチを入れた。
「開けろ!美咲!俺だ!」
「やだ、怖い。」
「美咲ちゃん、誰?この男。」
「見たことあるような・・・あっ!思い出した。あのスピーカーを買った店の担当販売員だわ。」
「なんで、電気屋の販売員が?まさか、美咲ちゃん、この男と・・・。」
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