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「そんなわけないでしょう?こんなキモイ人。」
「だよな。こんな奴が美咲ちゃんの彼氏とは思えない。」
「ふざけるなよ、柴田!殺してやる!」
「なんで俺の名前知ってるんだよ!」
「柴田君の名前なんて、私もこの男に話したことなんてないよ?」
「俺の美咲に触るんじゃない!出てこい、柴田!」
「おい、お前、ふざけるなよ。誰が俺の美咲だよ!」
柴田は、インターホンのスイッチを入れると応対した。
「俺と美咲の同棲生活を邪魔しやがって!許さんぞ!」
美咲の顔が青ざめた。
「ねえ、柴田くん、もしかして、このスピーカー・・・。」
「なるほどね、これで美咲ちゃんのこと見てたのか。」
「やだ、怖い。キモいよ。」
「こいつ、イカれてるよ、美咲ちゃん。警察を呼ぼう。」
「最近、なんか家の物の位置とかが微妙に変わってて、気持ち悪かったから、今日、業者の人に来てもらって二重ロックにしたの。やっぱり誰かが侵入してたんだわ。」
こうして俺と美咲の同棲生活は終わってしまった。
「あのね、君、被害者と同棲してたっていうけど、そんな事実はないよね?」
「同棲してたんです。」
「妄想もたいがいにしなさいよ。君は、彼女に細工を施した人工知能スピーカーを販売し、自らの声で彼女に話しかけてたんだよね?」
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