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メモを見たケンジが、会話を引き出そうと目を光らせる。
「アヤカちゃんは、半々?」
「普通ってこと」
アヤカは愛想笑いを頬に張り付けて、さらりと聞こえるように意識して答えた。
普通。
これがいちばん、面白味が無く、つっこまれにくい答えだ。ケンジはアヤカの狙い通り、ふうんと呟いただけで終わらせ、カズミに矛先を変えた。
目当ての相手がいるカズミは、一杯の水の心理テストに、不満という回答を出した。はにかみながら、目当ての相手にまばたきを送りつつ、彼氏が欲しいとアピールしている。カズミがタクヒロを狙っているのはミエミエで、周囲がはやしたてながらタクヒロの回答を回収する。
タクヒロの答えは、グラスからあふれている水。現状で満足しまくっています。彼女がいなくても充実しています、という意思表示。
それにもめげず、カズミは「うらやましいなぁ。その満足の秘訣、教えてよ」と、甘い声を出している。カズミを狙っているタダシが、自己アピールを開始し、タダシに好意を寄せているエリが話題に入り、エリを求めているリョウヘイがタダシにちょっかいをかけた。
面倒くさい。
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