心のグラスにある水は

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心のグラスにある水は

「うっそ。めっちゃ不満じゃん。なんでなんで」 「うーん、やっぱ彼氏いないと、寂しいからかも?」 「俺も、俺も寂しい!」  どこか芝居じみている浮かれたやりとりに、アヤカは半眼になった。合コンという空間では、テンションが普段よりも三割増しどころじゃなくなるものだと、わかっている。無駄に明るく振る舞って疲れたり、普段とのギャップに驚いたりするのは当たり前。そう理解はしているのに、ばかばかしいとしらけてしまう。どこか冷めた目で、浮かれている面々を一歩引いた場所から眺めている自分に、さらに気持ちが冷めていく。  こうなることはわかっていた。それなのに参加しているのは、付き合いのためだ。彼氏が欲しいのではなく、友人が離れてしまうのが寂しい。だから、参加する。     
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