第2章 晴れの日

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「……でさ、このあたり雨だと遊べるとこないし、家に二人でいても疲れちゃうよねって志保ちゃんと話してて、明後日雨が降ったら瑛太君うちに来ることになってるんだけど、浩介君もどう?」 「嬉しいけど、浩介いま物を投げるブームで、迷惑かけたら申し訳ないから……」 「そう?気にしなくていいのに」 「それに、うちは夫がうるさくて、家に昼間私や浩介の友達が来るのを嫌がるの。だから一方的にお邪魔するだけになってしまうと悪いし」 呼吸が早くなるのを意識しながら、美奈はできるだけ平静を装った。 「だから、また晴れの日に外で一緒に遊んで」 ちょうど目の端に、祐くんを追いかけていた浩介が転んでわっと泣きだしたのを捉えて、美奈はそそくさと綾香に背を向けた。
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