ずっとずーと一緒だったね

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中学に入学して新しい環境と新しい友達に、あまり馴染めなかった私は、あの頃必死だったんだ。 「よう、久し振り」 1人教室に残ってる私の耳に届いた懐かしい声。 クラスが違ってから、なかなか会えなくなっていた君の登場にドキドキした。 「うん、久し振り」 平静を装って机に腰を掛けてドアを見た。 「入っていいか?」 「うん、どうぞ」 2人きりの教室、私達の距離はあまり近くない。 「クラス、離れたな」 教壇に片手をついて笑ったのん君。 「ん。8年間も一緒だったのにね」 「ああ」 「せいせいするね」 心にもない事を口にした。 「本当、長かったよな」 「うん、長かった」 君に見つめられてドキドキし過ぎて、オウム返しみたいになってしまう。 この時、自分の気持ちに気付いてたら、何か別の事を言えたのかもね。 「クラスに馴染んだか?」 心配そうに揺れるのん君の瞳。 「ん、ぼちぼちね」 本当は馴染めてなかったくせにね。 「お前って、人付き合い苦手だから、ちょっと心配」 「もう中学生だし大丈夫だもん」 「ほんとかよ」 「本当だし」 強がってニッコリ微笑んだ。 「なぁ?」 「ん?」 何か言いたげに私を見る目に、恥ずかしくなって視線を逸した。 「いや・・・何でもない」 「そう?」 「もう同じクラスになる事をねぇのかな?」 「どうだろう。人数多いしね」 7クラスもあれば、3年間で同じクラスになる確率低いもんね。
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