第二十章 贄

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…涙が止まらなかった… 「しゃちょうー!…怖かったよぉ… えっ…ふぇっ…」 何度も何度も声を上げて、社長の名を呼んだ。 私の父の事… 秘密を共有しているはずなのに…私に冷たく対応していた社長… …正直、社長には私は不要な人間なのだと思っていた… 社長が着ていたジャケットを羽織らせられた。隠しきれていない身体を抱き上げられた。 「こんなサイコな家からとっとと出るぞ。」 もちろん異論は無かった。 私を抱えたまま、社長がリビングの扉を開け悪夢のような部屋から脱出する事ができた。
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