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「遅くなりましたぁ!...社長、どうでしたか?」
多少呼吸の浅い舞が戻ってくる。
軽く切らした息の間に、猫の様な笑顔を魅せ評価を聞いてくる。
時折見せるこの ”猫顔” にゾクっとSっ気が疼く。
顔を火照らせ、やり切った表情に淫らな感情を抱く…
(いや、よそう。お義父さんの前だし、やっとここまで来たのだ。)
チェイサーを軽く口に含んだ後
「あぁ、悪くなかったな、朝倉。」
疼きを悟られないように少し素っ気ない返事をする俺。
すると間髪入れずにお義父さんが割って入ってくる。
「高城君!もっと労ってやらなきゃダメだぞ!
…まったく、仕事は出来ても社員への労いを忘れてはいけないよ。」
お義父さんが俺に注意する。俺はバツの悪そうな苦笑いをしてただろう。
やっぱり仕事だけしていたいものだな。
接待だ会合だ挨拶だ等、ノイズに聞こえる。
最近ではそんなのばっかりだが、俺本来の気質としては職人よりなのだろう。
などとぼんやり考えていたら舞が返事をする。
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