第1話 最期への序章

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「うるさい、いつもいつも俺の鳩尾に突撃してきやがってお前なんかこうだ!」 「ちょっ!?えっ!ま、真琴ちゃん!振り回さないでぇぇぇぇえ!!!」 真琴は渾身の力で悠里麻を振り回した。その後、回しすぎて目が回った真琴と酔った悠里麻は玄関前に座り込んでいたらしい。その後二人は他愛のない会話をしながら帰っていった。 「ただいまー。帰ったよー」 家に着き真琴は扉を開けて玄関マットの敷いてある所に座り靴を脱いでいた。バタバタバタバタっと走る音がする。真琴は音のした方向へ振り向くとその足音の持ち主は真琴に飛び付いた。 「まーちゃんおかえいなさいっ!」 「あぁっ、秋弥ただいまっ!」 真琴はそう言うとぎゅっと抱き締めた。足音の持ち主は七城秋弥〈ナナシロシュウヤ〉11歳れっきとした真琴の弟だ。真琴が大事にしている大切な大切な弟は真琴に抱き締められて嬉しそうだった。秋弥は 「ねぇねぇ、まーちゃんお母さんがね今、手が離せないから代わりにまーちゃん宛の手紙があったから渡しておいてねって預かったの!」     
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