第2話 恐怖

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「狂魁さん、イイ人だったな。・・・・殺人鬼にイイ人ってダメだな」 真琴は先程の霧幻狂魁とのやりとりを思い出した。霧幻狂魁は優しかった少なくともそう真琴は思った。殺人鬼の中でもきっと変わっているんだろうな、と真琴は考えていた。 ベチャッベチャッズルッ 「?・・・なんの音だ?」 真琴の歩いている前から何か濡れたような引き摺ったような変な音が聞こえてきた。その音は段々大きくなっていき真琴は眼を凝らして前方を見て戦慄いた。 『ヴヴッ・・・まごどぉ・・てめぇの、・せいでぇ・・・じんで・・・・いでぇよ・・・・いでぇじゃねぇガァッッ!!!』 「な、・・まさか、アンタ・・・・片桐興毅か!!?」 人の形をした何かが真琴の名前を呼んだとき真琴は冷や汗を流しながらそう言った。その姿は生前の物とはかけ離れていた。右目は眼球が垂れ下がり、左目からは大量の虫が涌き出て体の所々骨が見えて腹はかっさばかれて内蔵が剥き出し大腸やら小腸が下に垂れ下がり血が大量に出ていてとても気持ち悪く辺りに異臭が漂っていた。真琴はその臭気に胃喉奥から酸っぱい物がせりあがってくるのをかんじた口許を押さえながら一歩一歩下がり叫ぶ 「くるな、くるな、くるなよっ!!!」     
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