第3話 記憶の欠落と諦め

1/5
前へ
/30ページ
次へ

第3話 記憶の欠落と諦め

私は平凡な幸せが欲しかった 僕は暖かい父と母が欲しかった 私は檻夢でさ迷い 僕は夜幻を歩き続ける 私は怖い一人でいることが 僕は嬉しい恐い人はいないから 私は誰でもいいから愛されたい愛してほしい 僕はいつも聞こえる〈彼女〉の寂しそうな声が 私は語りかける〈彼〉の声が聞こえる事が唯一の光 僕はいつも彼女に語りかける大丈夫、一人じゃないよって 私は 僕は 「っあ!?」 がばりと真琴は起きた。汗で服が肌に張り付きよりいっそう不快感を出している。真琴は眉根を寄せた。そこへ 「おや?・・・・真琴ちゃん?」 先程から聞き慣れた声が聞こえてきた。まさかと思って首を後ろに捻ると 「・・・・・狂魁さんなんでいるんですか?」 先程別れたはずの霧幻狂魁が真琴の事を見下ろしていたその真琴を見る表情?様子を見るからにきょとんっとした効果音が付き添うな感じだ。真琴がそう言うと霧幻狂魁は真琴の為に説明をしてくれるようだ。 「此処は夜幻―ヨゲン―夜に見る夢幻―ゆめまぼろし―殺人を犯したものがみる世界。この世界は殺害されたものが強すぎる思いが引き起こして夢をみるんだ・・・・と言っても〈条件を満たせば覚めるんだけど〉」 狂魁は芝居じみた口調で言った。     
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加