第3話 記憶の欠落と諦め

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「はい、そうです」 「なら、尚更好都合だね。現実で片桐興毅を殺したときのものだから夜幻の世界、此処では効果がとても抜群だよ。そして、片桐興毅を殺すにはまた、此処の夜幻の片桐興毅のコア、ハート〈心臓〉を壊さなくてはならない。もう一度片桐興毅を殺さないとだめなんだ」 「そうなんですね・・・義父を、片桐興毅のコア・・・ハート〈心臓〉をまた、殺さないとダメなんですね」 真琴はナイフを握る手に力を込めた。 「これは、真琴ちゃん自身の戦いだ。私は手は出せないよ。ここで待ってるから行っておいで」 霧幻狂魁はそう言うとすぐ側にあったベンチに座っていた。真琴はそれを見た後一度、目を閉じた。殴り続けられる秋弥、母の恭子二人を苦しみ続けてきたアイツをもう一度この手で殺してやるんだ。     
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