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そう言うとナイフを引き抜いた。女にはかからなかった鮮やかな手捌きで男の心臓へ的確かつなんの迷いもなく突き刺したのだ。男が死んだのを見て女は右目のしたに一筋の切れ目をつけた。まるで泣いているかのような切れ目だった。女はそれを終えると
「悪人の裁きは完了した」
女は冷たく男を見下ろした・・・・・
「ごぼっ!?」
ザパァッ!!
げほっ、えほっと真琴は嘔吐いた。どうやらいつの間にか寝て風呂に沈んでいたらしい。真琴は息を吸ったり吐いたりを繰り返しながら今見た夢を見て吐き気を覚えた見知らぬ狐面をつけた女と男のやりとりを〈客観的に見ていた〉感じだった。得たいのしれない女が男を殺した。何処かで聞いたような見たような殺し方だったが真琴は恐怖心を煽られて思い出せなかった。
(・・・・もう、出よう)
真琴はそう心の中で呟くと風呂場から出た。
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