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もしかして騙されてる?
そんな風に思ってしまう私は間違っているんだろう。
でも、幸せが怖いのは仕方のない事。
浮かれていられる程、若くないんだから。
「ちょっとだけ……」
急に秀哉の手が私の頬に触れた。
彼は私の顔を自分の方にむける。
「どーしたの?」
「今、考えてる事、間違いだから」
「え?」
「オレ、羽那にはウソつかないから」
ドキドキと心臓が音をたてる。
壊れそうなほど、激しく脈打つ。
「だから、ゆっくり信頼関係を築いていきたいと思ってるから」
口から心臓が出る寸前だよ。
「うん、分かった」
そう口に出すのが、やっとだった。
「じゃ、キスしていい?」
「うん、それはダメ」
「流されない羽那ちゃんも好きだよ」
End
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