第四章

11/11
134人が本棚に入れています
本棚に追加
/106ページ
もしかして騙されてる? そんな風に思ってしまう私は間違っているんだろう。 でも、幸せが怖いのは仕方のない事。 浮かれていられる程、若くないんだから。 「ちょっとだけ……」 急に秀哉の手が私の頬に触れた。 彼は私の顔を自分の方にむける。 「どーしたの?」 「今、考えてる事、間違いだから」 「え?」 「オレ、羽那にはウソつかないから」 ドキドキと心臓が音をたてる。 壊れそうなほど、激しく脈打つ。 「だから、ゆっくり信頼関係を築いていきたいと思ってるから」 口から心臓が出る寸前だよ。 「うん、分かった」 そう口に出すのが、やっとだった。 「じゃ、キスしていい?」 「うん、それはダメ」 「流されない羽那ちゃんも好きだよ」 End
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!