第四章

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不意に触れる肘や、膝。 キャップをあげ、私の目を覗きこむ仕草。 ビールを飲む唇。 どれをとってもドキドキする。 彼の指が動くたび。 彼の身体が動くたび。 一瞬、一瞬に心臓がドキッと音をたてる。 意識し過ぎている。 たぶん、触れられたら倒れる。 「羽那ちゃん、オレとマジで付き合ってくれる?」 「軽くで良いなら」 「軽く……って、何?」 「真剣になりたくないの」 「真剣じゃダメなの」 「まだ、軽いのがいい」 「軽い男はダメなんでしょ?」 「うん、軽い男は嫌い」 「なかなか難しい注文ですな」 「ごめんね」 「いや、分かった。オレが羽那ちゃんを真剣にさせればイイだけだから、軽い付き合い方のスタートで良いよ」 もうダメ。 完全に墓穴を掘った。 彼の言葉に、嬉し死にしちゃいそうだよ。
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