ヒロの手作り弁当

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ヒロの手作り弁当

『マティアスさん、お弁当持ってきたの。 私がお手伝いして作ったのよ。』 そう言うと、マティアスさんはとても嬉しそうに受け取ってくれた。 ああ、持ってきて良かったな、と思う。 『どうせ昼も食べずに仕事終わらせるつもりだったんでしょう? 可愛いヒロちゃんの手作り弁当、ありがたくいただきなさい。』 マティアスさんのお母さんが、彼の背中を叩く。 バチンって音しましたけど、痛いんじゃないですかね? マティアスさん、大丈夫かなぁ。 『母さんはもう、帰るわ。 ヒロちゃんの事よろしくね。 ああ、見習い君は迎えが来て帰ったわよ。』 そう、ビーは兄弟子さんがお迎えに来て、帰ってしまったのだった。 後数日いる予定なのに、とか呟きながら帰って行った。 又会おうとも言ってたかな? ちょっと寂しいけど、マティアスさんがいれば大丈夫! 『じゃ、いただくか。』 お母さんも帰ってしまい、マティアスさんと二人でお弁当を広げる。 私も一緒に食べようと、沢山詰めておいたのよね。 『うん、旨い!』 お肉を頬張りながら、褒めてくれる。 私はお手伝い位で、味付けとかはマティアスさんのお母さんなんだけどね。 旨い、旨いと次々平らげてくれるから、とっても嬉しくなってしまった。 又、作ってあげたいな、そう思った。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『旨いなぁ。 ヒロは良いお嫁さんになるぞ。』 嬉しくてつい、そう言って頭を撫でる。 『お嫁さん?』 きょとんとヒロが首を傾げる。 『うん、私、マティアスさんのお嫁さんになる!』 にこやかに笑い、そう言い切った! お、俺のお嫁さん?! いや、しかし、ヒロは娘であって、ああ? いや、まだ、娘じゃ無いけど、あれ? よ、嫁~~??? 頭がクラクラしてきた。 俺、熱が出そうだ。 ヤバイ?マズイ?? どうすんだ、俺!!!
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