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この時の俺も流石に自分の考えてること、つまり夢が痛い奴ってのは重々承知していた。
だからそんな世界に憧れている事も自分の考えも一切、周りの連中に打ち明けることはしなかった。
実際そういう現実と夢の乖離的感覚に溺れる自分に酔っていたんだ。
俺は悲劇のヒロインならぬ悲劇の主人公だと。
現実は喜劇の道化師もいいところだが。
こんな自分に酔った人間が現実の事が目に入らないのは当然のことだけどそれでも夢ってもんは大抵、現実的要素が抜け落ちてたりする。
異世界に行って空を飛びたいと思うのは別に構わない。
だが異世界に行ったとしてその異世界の言語が自分と話してる言語とは限らないし、異世界人が俺を敵視しないとも限らないし、そもそも流通する通貨をどう入手してどう生活を営むのか。
他にも問題は色々と山積みなんだが現実世界だったら当たり前に必要になってくる要素を考えたりもしない。学生という身分で生活そのものが親という存在に依存していたからかもしれない。
力、能力にしたってそうだ。
ライトノベルでは神様に都合よく能力が与えられて、その能力を何の代償もなしに使えたりするけど現実はそんなに甘くはない。
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