異世界ファンタジーは反定立《アンチテーゼ》とともに！

第一章 すばらしき異世界へようこそ

第一話 腹黒中学生VS最強の変態

俺の名前は日向晴彦(ひなたはるひこ)。高校二年生で田舎の島の神社の跡取り息子だった。
　とある事件をきっかけに俺はこのエルエデンと呼ばれる世界に行ってお姫様を奪還しなきゃいけない事になった。
　そして俺はこのエルエデンの南に位置する大陸国、ミカエルニア王国の南東部に位置する南国観光都市シリスに向かう為、仲間たちと共に地平線の先まで続く果てなき荒野をひたすらに歩いていた。
「ふっ…腹減ったな…」
　ベージュのマリンキャップを被った黒髪のセミロングヘアの中学生ぐらいの少女が力無く呟いた。
　因みにこの少女、服装は紺色の下地に目一杯の花が散りばめられた花柄のミニワンピースに七分袖のショートデニムジャケットを羽織っていて、帽子と同じ色のレザーのショートレースアップブーツを履いている。
　正直言って異世界に不釣り合いなぐらいお洒落だ。
　えっ、俺は？俺はジャージに運動靴。
「あぁ。昨日から何も食べずにもう昼過ぎだ。腹も減るさ。それにしてもエルエデン来てから言葉遣いが逞しくなったんじゃないか？さくら」