愛する人の記憶

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「それで・・・ 甲斐での事を  忘れたということは・・・ 私の事も忘れたってことですか? 私を助けに来てくれたことも?」 勝家は頷いた。 「そんな・・・ そんなことって  あるの? 嘘でしょう? 命がけで  たった一人で来たことも 景虎のところへ  来てくれたことも? 城から  火がついた城から 救ってくれたことも?」 菊は信長の面影を たどった。 どこまでも 雄々しく 勇ましく それでいて 優しげな瞳をして いつも自分を 見てくれた信長を・・・
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