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ピペは、もう一度、タマゴをトントンとたたく。
十分、丈夫そうだ。これなら、ちょっとぐらい転がしても、割れないだろう。
ピペは、転がして持って帰ろうと、タマゴを押してみた。
「うぐ、うぐぐぐっ。おっもーい!」
このまま押せば、横にすることはできそうだ。
でも、そのあと、草の根っこをよけたり、灌木の間を通したりして、転がして持って帰ることはできるだろうか。
無理だ。絶対無理。ぜ~ったい無理。
百回やっても百回とも、途中でへたばるに違いない。
何かもうちょっと、良い方法を考えないと。
ピペは、タマゴを籠をならべて、腕組みをする。
立てたまま持って帰るか、横にするか。
卵形だから、立てたままの方が安定する。横にしたら、うっかり違う方に転がりそう。
ルートはどうしよう。
灌木の間を通すのはきついなあ。
ピペは、村までの道を思い出す。
狩りを繰り返してきたから、このあたりの地形は、だいたい頭に入っている。
ん~ う~ん
草原だけを通って村に戻れるルートは、なさそうだ。
しばらくにせよ、灌木の間を通る。
だいたい、村は灌木の間の開けた場所に作ってあるんだから。
それだと不便だから、川の水が通っている場所を選んであるけど。
そうか!
ピペは、はっとした。
いけるかも!
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