おひろめ会

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 ピペが見つけた大きなタマゴは、あっという間に村じゅうの話題になった。  そしてその夜は、おひろめ会。  大物が取れたとか、信じられないぐらいの大漁だったとかいうときに開かれる、村祭りみたいな食事会だ。  おひろめに出せるようなものが取れたら、みんなから一人前として認めてもらえる。  同じ年齢では、まだほとんどおひろめに出せるような獲物を捕った者はない。  ピペは、鼻高々だ。  村じゅうで準備をして、みんなで楽しむ。  メインは、その大物だが、それ以外にだって、たっぷり料理や飲み物が並ぶ。  村のみんなは、こうしてみんなで集まって楽しく飲み食いするのが大好きだ。  集まらないのは、村を離れている人とか、偏屈な何人かぐらい。  別に、村長なんてものもなく、狩りや釣りなんかが得意な人は尊敬されて上座をすすめられるし、料理のほうを仕切るのは、料理上手な村人たちだ。  みんなで使う大きな机に、山盛りのご馳走。  秘蔵のお酒を出す人もあれば、新作料理を作ってみせる人もある。  裏方しかしない人はいなくて、料理好きが順番に料理をして、食べるのも、順番で。  おなかがいっぱいになってくると、歌ったり、踊ったりも始まる。 「そろそろ、おひろめをどうぞ! ピペ。ピペリアリ!」  席の中ほどで、同年代のみんなとおしゃべりをしていたピペは、背筋を伸ばして立ち上がった。  ピペの大きなタマゴは、リボンで飾られて、上座の脇に置かれている。  用意された大きなたき火では、大きなフライパンが熱々になっている。 「えーっと、本日は、私の大きなタマゴをおひろめします。  西の草地で見つけたタマゴです」
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