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「ピペの背丈以上ある、過去最大だぞ」
「これに張り合えるのは、じいさまのじいさまの代に取れたというシマのあるタマゴぐらいじゃないか。絵が残っているが、じいさまのじいさまの背丈より、ちょっと小さいぐらいあった」
「でっかいタマゴ~、でっかいタマゴ~」
誰かが節をつけて歌い出す。
「さあ、割るんだ」
「ボウルは用意できているよ」
頭の倍ほどありそうに大きな、木製のボウルを両手にかかげて、おばさんたち三人が待機している。
「ピペも、いよいよ、一人前だねえ」
ピペのお母さんが、そっと目頭をぬぐう。
「それじゃあ、今日の大漁を祝って。みんなが仲良く暮らせて、また、こんな大きなタマゴに恵まれますように!」
ピペが、大きな木槌を手に取って、タマゴに打ちつけた。
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