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「ノーコメント」
僕は時計を確認し、残り1分と告げる。
「もういいよ、終わったし」
水緒はシャーペンを机の上に放って、テスト用紙をつまみ上げた。
「はい、採点して」
「自己採点だ」
「あたししかいないのに、意味ないじゃん。先生がやってよ。その方が早いって」
仕方なく受け取って教卓に置き、赤ペンを手に取った。
解答欄はすべて埋まっていて、角ばった字が几帳面に同じ大きさで並んでいる。
正解、正解、正解……満点だ。
「やれば出来るんじゃないか」
僕は思わずつぶやいた。
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