雨が涙を消したなら

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「でも気紛れでちょっぴり優しいところもあるから…天気雨ってことにしといてあげる」 「それ、全然嬉しくないし」 「ふふっ」 僕は冷めた人間だから。 いつまでも降り頻る雨の中、 どこかスッキリした顔の千紗が笑いかけたって 笑い返すことはしないけど。 「翔ちゃん、いつもありがとね」 「本当に感謝してるわけ?」 「当たり前じゃん。だって翔ちゃんだけは 私から離れていかないでしょ?感謝、感謝」 僕は素直じゃない人間だから。 屁理屈を並べることはできたって、 クサイ台詞とか薄っぺらい言葉とか 死んでも言うつもりはないけど。 「分かってるならいい加減気付けば」 「ん?なにに?」 「ほんと、バカだよね」
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