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「…翔ちゃんも、雨に似てるね」
「あー、はいはい。容赦ないからね」
僕は捻くれた人間だから。
『雨の日って気分下がっちゃう~』
とかほざくクラスメイトに、
『は?たかが天気が人間の気分を左右できるほど
偉いとは思えないけど』
って、言っちゃうような人間だし。
まぁ、間違ってはないよね。
雨なんてただ空から水滴が降ってくるだけで、僕らには傘という自己防衛道具があるわけだから。
「それにいっつも冷たいし…豪雨だ」
「あっそ」
僕は現実主義な人間だから。
よくドラマや映画なんかのクライマックスで見る、
『雨と一緒に思い出も流れてくれればいいのに』
とかいう安っぽい台詞も全く心に響かないし。
まぁ、間違ってはないよね。
だってさ、そんなことで思い出が流れるわけないじゃん。そんな現象起きたらみんな記憶喪失になるよね?ヒロイン頭大丈夫?って割と真剣に思っちゃうくらいだから。
いつも雨の日を選んで泣く千紗がよく言う、
『雨が涙を消してくれるんだよ』
とかいうのだって、
正直馬鹿馬鹿しいと思ってるから。
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