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…物心ついた時から、いつでも三人一緒だった。
何をするにも、何処へ行くにもずっと一緒。
幼稚園も、小学校も中学校も、高校も。ずっとずっと一緒だった。
これからもずっと一緒なんだと、そう信じて疑わなかった。
だから……
……死ぬのも一緒だったのは、きっともう、運命としか言いようがないのだろう。
「…い、おい、海里…海里、起きろって」
「う、ん……?」
ゆさゆさと揺さぶられ、美波海里はゆっくりと意識を浮上させた。
未だぼんやりとする視界を巡らせると、誰かが自分を覗き込んでいるのが目に入る。
はしはしと数度瞬きして霞む目をこすると、それは幼馴染で親友の烏森陸斗で、酷く心配そうな顔で海里を見つめていた。
「…陸…?」
「良かった、目ェ覚めたか…」
「ん……?あれ、……空は?」
名前を呼ぶと、ほっとしたような表情で起き上がろうとする海里に手を貸してくれる。
起き上がった海里は気だるさを払うように頭を振り、ふともう一人の幼馴染の名を呼んだ。
「お前の後ろ。まだ起きてない」
「あ、ほんとだ……空、おい空、起きろ」
「…んにゅ……ううう…あと五分……」
陸斗が示した通り、もう一人の幼馴染兼親友…出雲美空は海里の後ろですやすやと寝息を立てていた。
海里がぺしぺしと腕を叩くと、むにゅむにゅと口を動かし、海里の手から逃げるようにくるりと丸くなる。
「五分も待てるか!空、起きろってば」
「んぇえ…なぁにぃ、うみちゃん…まだ眠いぃ…」
こいつ本当に寝起き悪いな、と海里が眉を顰めて美空を引っ張り起こす。
無理矢理起こされた美空はぐずぐずと文句を言いつつ、床にぺったりと座り込んだ。
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