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『あはは、驚かせちゃったかな』
『パツィ、これで驚くなって方が難しいと思うぞ』
「…あの…貴方達は?」
『ああ、ごめんね』
ころころと笑ったプラチナブロンドの男性に、金髪の男性が突っ込みを入れる。
陸斗が恐る恐る口を挟むと、パツィと呼ばれた男性はこほんと一つ咳ばらいをし、薄く笑んで三人を見た。
『初めまして。ボクはパツィ。世界の管理者……所謂神様ってやつ、やってます。で、こっちがボクの補佐をしてくれてる、』
『グレンだ』
「世界の管理者…神様…?」
実に簡単な自己紹介をした二人に、海里が困惑しながら首を傾げる。
冷静に二人を観察していた陸斗は、先程の登場の仕方も踏まえ、二人の言うことに嘘はないようだと判断し、先を促す。
「…そんなお二人が、俺たちに何か?」
『うん、まあね』
「……かみさまがいるってことは……もしかして僕たち、死んじゃった、とか?」
「「!」」
しかしパツィが話を続ける前に、美空が不安そうに言って首を傾げた。
海里と陸斗が美空を振り返り、そうなのか、と問うような視線をパツィに向ける。
パツィははしはしと瞬きをし、困ったように苦笑した。
『…うん。その通りだよ……君たちはここへ来る直前…飲酒運転のトラックに撥ねられたんだ』
「「「―――っ!?」」」
パツィがそう告げた瞬間、酷い耳鳴りが三人を襲い、脳裏にフラッシュバックが弾けた。
大きすぎるエンジン音、周囲の通行人の驚愕の声、身体を襲った衝撃と、遠く響く救急車のサイレン―――。
『…通学路を歩いていたお前たちに、飲酒運転のトラックが突っ込んだ。現場を目撃した通行人の通報でお前たちはすぐに緊急搬送されたが…病院に到着した十五分後に、死亡が確認された。運転手は飲酒の上居眠り運転で当然逮捕。こっちも重症だったが、命に別状はなかったようだ』
「…まじ、かよ……」
「まさか、本当に……」
「…死んじゃったんだぁ、僕たち……」
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