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淡々と状況を説明するグレンに、耳鳴りが収まり始めた三人はそれぞれ呆けたような声で呟く。
海里と美空より早く気を取り直した陸斗は、少しだけ考えるように親指で唇に触れ、ゆっくりとパツィとグレンを見やった。
「…いくつか、お伺いしても?」
『うん、いいよ』
「それは…決まっていたことだったんですか。あそこで俺たちが……死ぬことは?」
「「……」」
静かに問う。本当に決まっていたのか、と。何かの間違いではなかったのか、と。
三人の視線を受けて、パツィは眉を下げ、そっと目を伏せた。
『…うん。君たちがあそこで…人生を終えることは、決まっていたことだった』
「…そうですか。…では何故、俺たちはここへ呼ばれたのでしょう」
予想の範囲内だ、と頷いた陸斗が、更に質問を投げる。
「俺たちは何処にでも居る普通の高校生です。たかがモブにも等しい男子高校生が三人、定まっていた運命に従って死んだだけならば、神様自らがこうして出向いて来たりはしないはずだ」
確かに、陸斗の言う通りだった。
最近ライトノベルでよく目にする主人公のように、神様の手違いで死んでしまったというわけでもないのであれば、一介の高校生である三人がこうして神様やその補佐官などと対面し、言葉を交わす必要性はない。
同じように考えた美空と海里も、黙ってパツィの返答を待つ。
パツィとグレンは少し驚いたような表情で顔を見合わせ、薄く笑ったパツィが口を開いた。
『見事な推理だね……君たちをここに呼んだのは他でもない。君たちに、ボクたちからお願いしたいことがあるからなんだ』
「「「お願い……?」」」
『うん。グレン、説明お願い』
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