15.Echo

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…… 3年後。 「だからね、雅の方からも注意してよ。 今年に入って2人も退職したんだよ? ここまでくると新人ブレイカーだわ」 そう言って祐奈は頬を膨らませたが、 そんな口で伝えてどうにかなるなら 私だってとっくの昔にやっている。 「でも、ほら、男女の色恋沙汰に あれこれ口を出しても…さ?」 恐る恐る顔色を伺いながらそう答えると、 クワッと牙を剥き出しにして反論された。 「はあん?! 色恋沙汰なんかじゃないでしょ?? 一方的にヤリ散らかしてるのよッ。 悔しいことに 見た目だけは本当にイイからさ、 世間知らずの若い女のコは コロッと参っちゃうんだって。 どうせヤルなら社外でヤレって言ってよ。 アイツ、雅の部下なんでしょ??」 “アイツ”こと森嶋啓太は 私と同じ商品開発室に所属し、 一応というか本当に部下である。 無愛想だが仕事は出来るし そこそこ信頼しているのだが、 如何せん、女にだらしない。 それも社内の人間に平気で手を出し、 別れる際にたびたび揉める。
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