15.Echo

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「ただいま」 「お帰りなさい、おかーさん」 「いい子にしてた? ミツくんを困らせてなかったかな?」 「うん、大丈夫!いい子にしてたよ」 私に抱き着こうとして、 両手を広げたその瞬間。 背後にいる森嶋くんに気付いたのか、 分かり易く唯が固まった。 どうやら子供には慣れていないらしく、 森嶋くんの方も固まっている。 そこに絵本を手にした光正が顔を出す。 「雅、お帰り。 …ん?珍しいな、お客様かい?えっと、 キミは商品管理室の森嶋くんだよね? ほら、唯。お客様にご挨拶は」 「おかーさんが 知らない人とは口を利くなって言った!」 「唯、この人はお母さんのお友達だから 口を利いてもいいよ」 「こんにちは!いさき ゆい7さいです」 残念ながらここで電池が切れたらしく、 立ったまま眠そうにフラつき出す。 「ああ、そっか10時だもんね。 もう唯は寝なさい」 「さっきまで布団に入ってて、 『おかーさんが帰るまで起きてる』とか 言いながらも半分寝てたんだよ。 雅の顔を見たから、安心したんだろう。 あっちで寝かせてくるよ」 そう言って軽々と唯を抱き上げ、 光正は奥の部屋へと消えていく。 その後ろ姿を見ながら 森嶋くんがボソリと呟いた。
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