1、茶店の駄目男(だ・めんず)マスター

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んー、めんどくさい、何もかにもめんどくさい! 「お待たせしました」 コーヒーを出した。雑誌を読んでいたのを脇に置くと、くんと香りを嗅いで、そのまま口にした。唇の先が少し上がった。 フン、どうだ、俺だって、うまいコーヒーぐらい入れられるんだ。 なんで、ここにいるのだろう、生まれてきた意味。 生まれてきてしまった意味なら分かるけど。 オスとメスの繁殖行動。 それだけだよな。 人間だって動物だ。 世界中で、人間が死ぬ原因の生物。 一位は蚊 二位は、人間だ 三位は蛇 人が人を殺す、これは止めることができる。でも、蚊や蛇はなー。どうにもなんねえし。 それでも減ることのない現実がある。 また子供が殺された。 「まったく、この親は何考えてるんでしょうね」 新聞を見ながら言う男の子 「やることしか考えないから、ガキが邪魔で殺すんだよ」 「そんなぁ、性欲で子供を殺すんですか?」 「そうだとしたら?」 「悲しすぎます」 「はい、ウインナーコーヒー、こっちはラテ、ブレンドな、でも、君たちの前に、ものすごい、美人やイケメンが現れて、大好きになって、セックスもするような関係になったとき、仮定として自分には子供がいるとなったら、そのことで後ろめたくなったりはしないだろうか?」 「後ろめたい?」 「子供に対しての罪悪感ですか?」 俺はうなずいた。 「そうなるのかな?」 「たぶんほとんどがそうなる」 「特に女で、バツイチ、未婚の母が、再婚を求めようという男は、ほとんどが女の体目当て」 「なんでそんなことが言えるんですか?」 「簡単にやらせてくれるからさ」 「スケベ―」 「親父の考えじゃん」 「そんなことわからないじゃないですか?」 「統計ではそうなっている、ここで拒んだり、考えて行動する女はそんなことにはならない、子供を守ろうとする母性本能が働くから」 「では、この女性たちは母性本能が働かないということですか?」 子供を授かるということで、女性はオスの優位に立たされる。その時だけだが、だがメスも弱い、そこで、育児放棄をすれば、自然の中で、子供は生きるすべがないから命を落とすが自分は独り身だ楽に生きられる。だが、オスも単純だ、メスがラブシーズンを迎え、一度でも妊娠したことのあるメスがいると、オスはそれに群がる。とどうなる? 「また妊娠するのか」 「堂々巡りか」 「人間も動物ってことね」
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