1、茶店の駄目男(だ・めんず)マスター

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テーブル席の男性客が立った。 「ありがとうございました」 フー、客なんて、もうダメか、こいつらだけかな。誰もいない客席が俺をあざ笑っているように見えた。 「男なんて単純だからな」 ふーん、なんか自分で言って自分で納得した。 「でもさあ、マスター動物って一回やったら終わりって言うのがほとんどなのに、何で人間だけいつも発情してるの?」 そんなことはない、動物だってやりちんはいる、ウサギはその代表するもんだろう? 「やりちんて」 布巾をもってテーブルへ、カップを持ち上げテーブルを拭いた。 「やっぱりスケベだ」 「女は妊娠に必要な周期があるからな」 「生理?」 「でも男は?」 「やりすぎれば子供はできない」 三人の前でカップやいろんなものを片付け始めた。 「何で?」 「それ知ってる、精子の数がある程度決まってるんだよね」 「だから、自然に女に任せるはずなんだ、でもそれが狂ってくる」 「生活環境ストレスとか?」 「これは俺の持論だけど、昔は、女性の出産は今よりずっと大変だった、女性が死ぬくらいにな、だから、男性は外に出さなかった、家のことだけでも十分働くことが出きたからだ。でも今じゃ、女も外へ出て仕事をして、家の中でも仕事をしている、ストレスがたまらない方がおかしい、そこに子供ができてみろ、いやでも放棄したくなるのも出てくる」 「歴史が物語ってるのか」 「わかった様な口ぶりだなー」 「だから男の子の方が気を付けてスキンを持って歩かないといけないってことか」 「女の子もな、襲われるくらいならつけてって防御しないと」 「でもそれってできないよね」 「襲われたら終わりじゃん」 「ピルっててもあるじゃん」 「でもそれってやる前提が無いと無理」 「薬だもんね」 そうだよねというJK二人。 「ほら、こんな所で時間つぶしてないで、さっさと帰れ、話しはまた明日でもできる」 「エー、まだ六時―」 三人が声をそろえて言う。 「コーヒー一杯で、ねばるんじゃねえ」 と言った。 「だって他に何もないじゃん」 と笑われた。 「また明日」 「じゃあね」 「お休みなさい」 と言ってでて行った。また誰もいなくなってしまった。
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