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あいつらがここへ来たとき、誰もいないのと、案外綺麗にしてあるからだと言われた、汚いところは行きたくない、でも時間をつぶせるところはほしい、だからいいだろうと言われた時は、あー、俺もこいつらと同じかーなんて思っていた。それと俺の話は面白いんだと、まあ一応、大学は卒業したしー、話はなんていっても夜のお勤めで磨いてきたからな、なんて・・・
店、閉めようかな。
飯時は暇だ、ただもう少しすると来る客もいる、軽く飯を食べに来る人たちが、そしてバイトがやってくる。
「おはようございます」
誰もいない店の中で俺は抱き着いた。
「リュウ―」
「ハイハイ、別れたんですよね、仕事やめるとか言ったら張り倒せって」
は?なにそれ?
元カノから、責任持てないのなら、はなから店を継ぐなと書かれたメールを見せられた。
「ぷぷー、何人目?」
思い切り笑いやがって
「ウッせー、目の前に、結婚してくださいって札がぶら下がってたからこっちからけり倒したんだ」
「あっそ、まあいいですけど、仕込みはできてるんですか?」
もう冷めたいい方しやがる。
「もうできてるよ」
「それじゃあ帰っていいですよ」
と言いやがった。ザケンな、俺は店主だぞ、でもそれを言えない俺がいる。でてきた言葉は
「リア充め!」
「フン、そんなこと言うなら、マスターもゲイになったらどうですか、歓迎しますよ」
だといいやがった。
「ウッせーよ、ちょっと出て来る」
もお、イライラして胸ポケットに手を伸ばした。
「酒はいいですけど、煙草だけはやめてくださいよ、やっと禁煙できてるんですから」
そのこえにまた、いらーっ!
「わかってるよ!」
くそっ!
そのまま近くのバーへ行って一杯ひっかけて帰ってきた。
そこにも元カノの影、みんなに笑われ、腹が立って出てきた。
おせっかいそのものじゃねえか、くそっ、やらせてもくれねえのに、女面するんじゃねえ、あー腹立つ!
ガードレールをけった、痛いのは俺の脚だけだ。
「くそー!!!」
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