1回目

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1回目

「!!」 声にならない声をあげ、私は跳び起きた。慌てて周囲を見回す。 「あ……」 周囲の視線が痛い。驚いたようすで私を見ていた国語教師がツカツカと歩み寄り、私の頭を手にしていた教科書の角で軽く叩いた。 「っ痛」 「朝っぱらから寝るんじゃない。」 「すいません……」 「夜更かし?」 教師に尋ねられたが、答えにつまる。夜更かししたっけ?それより、夕べは何してた?いつ寝た?いつ起きた? 「あ……あの……すいません」 再び謝罪すると、私は急いで自分の席に着席した。それにしても、この違和感は何?教室ってこんなだったっけ? 寝ぼけているに違いない。
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